Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme
呪いのほむらは、魂を灼き焦し、あおりたてた。
――たとい、懐剣は、お師匠さまのお手にお預けして来ても、この手刀が身についている限りは、ここに並んだ四人、五人、瞬く間に打ち倒して、父御の恨みをお晴し申すは、わけはない。この場に、広海屋さえ加わって居れば――
そして、再び彼は、無理無理己れを抑える。
――いいえ、駄目だ。早まってはならぬ。今度の江戸下りは、お師匠さまや、一座のためには大事の場合。わたくしの恨みを晴らすために、ともかくも花形なぞと、数えられるこのわたしが、血なまぐさい事をしてのけたら、何も彼も、滅茶滅茶だ。折角、向いて来ている江戸の人たちの人気が、そのために一座をすっかり離れるだろう。わしは、胸を撫で、さすろう。わたくし事は、人に気づかれぬよう、そっとそっと、ひとりで暗闇で、なし遂げる外はない。
雪之丞は、やっとのことで、自制して、心を落ちつけて、居並ぶ仇敵たちの様子を探ろうとするのだった。
誰は、どんな癖があるか、どのような性格だか、それを知れば知る程、彼の目的は、安全に的確に達せられるであろう。
幇間の芸がすむと、三郎兵衛が、雪之丞にいいかけるのだった。