Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme
「何といやる――このまま、もうあわずなる――そのようなことがありましたら、このわたしこそ、とても生きてはおられませぬ。そのようなこと、いいだして下さるな」
少女の、熱い熱い吐息は、みじんいつわりをまじえていない。蔑すみと呪いとに充たされた雪之丞の、目にも魂にも、それはよく感じられるのだった。
すると、彼も亦、多恨の青春に生きる身ではある。思わず、美しい浪路から瞳をそむけないではいられない。
――かあいそうに、この人は、何も知らないのだ。この人には、罪も恨みもあるはずがないのだ。それなのに、わしは、ひたすら、いつわりで心をとろかそうとばかりしている――空おそろしいわざではあるまいか――
胸の奥底を、その瞬間、いうにいえぬ痛みが突き刺す。
――あわれな、罪深いわざは止したがよくはあるまいか?
「わたしは、癪さえとり詰めるような気がしてなりませぬ」
と、浪路は訴えた。
「もうじき、こよい、お別れせねばならぬと思うと――」
雪之丞は、咄嗟に答えることが出来なかった――彼の舌は硬ばった。
――わしには、これ以上のことは言われぬ――この人は、ほんとうにわしのことを思いつめておいでなのだ。