Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme
闇太郎、弥蔵を解いて、片手で、癖の顎の逆撫でをやりながら、ブツブツと、口に出してつぶやきはじめた。
――どうしても、今夜は、もう一度、ゆっくり、あの屋敷をたずねてやらなけりゃあ、ならねえんだ。人をつけ、泥棒こそはしていても、天下にきこえた闇太郎さまさ、まるで化ものあつけえに、物珍しげにあっちから眺めたり、こっちから眺めたり、明け方までつき合せやあがって、あげくの果てが、二十五両包一ツ、えらそうによくも投げてよこしなんぞしやがったな。そのお礼を、早くしてやらなけりゃあ、闇太郎、腹の虫がおさまらねえや。
と、急ぐでもなく歩いていたが、ふと、行く手に、黒い塀をめぐらした角屋敷を見つけると、
――おッ! そういううちに、とうとうやって来てしまやがった。どれ、まず表から、ぐるりと拝見に及ぶかな。
さしかかった表門前――それが、こんな夜更けだというのに、半開きになっているのを見て平気で通りすぎながらも、小首をかしげて、
――こいつは、妙だぞ。なるほど、三斎も変りものだな。もうおッつけ丑満だろうに、門内に、お客かごがあって、供待に、灯がついているので見ると、例の手で夜明しの客というわけか。