Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme

Aozora Bunko

――おお、この声は、たしかに二、三度聞き覚えのある声じゃ。

と、考えてみて、

――たしかにこないだ、所も恰度この界隈で、悪浪人にいいがかりをつけられた時、割ってはいってくれたお人の声がこれだ。それからその晩、脇田先生の道場を出て、平馬どのに斬りかけられたあと、供をなくして困っていたとき、駕籠を呼んでくれたお声がこれだ、してみれば、呼びとめたお方は、あの闇太郎とやらいう、江戸名代の泥棒さん――

と、思いあたると、彼の胸は不思議ななつかしさにとどろいて、白い手が駕籠の引戸にかかる。

白く匂う花のような顔が、窓から出て、

「おや、あなたは、いつぞやの――」

「へい、あっしでございますよ。是非に今夜、お前さんとお話ししたいことがあって、ここまであとをしたってきましたが、迷惑でしょうがほんのちょっとの間、そこまでお付合いが願えませんか」

雪之丞はためらわなかった。相手が泥棒にしろ、やくざにしろ、二度まで恩をうけた上、どういうわけか、その後ずっと心から離れぬ面影だ。それに彼の渡世がら大泥棒につきあっておくのも、いつかは屹度芸の上でも役に立とう。

「わたくしもお目にかかりたく思っておりました。