Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme
御隠居さまは、別にこれという病気も無いらしいに、気先だけがすぐれぬというているが、おつとめが急に厭わしゅうなったのではあるまいか――なぞと、しきりに心配していられました。あれほどの鋭いお方にも、娘御のお胸の中は、図星を差すことはならぬと見える。長崎屋もいうとおり、そなたが、その美しい顔を見せたなら、忽ちほがらかになるに相違ないに――」
「わたくしに、それだけの力がござりますかどうか――でも、折角のお言葉でもござりますし、明日にもすぐにお見舞に上って見るでござりましょう」
と、雪之丞は、しおらしく受けて、ふと、思いついたように、孤軒入智恵の問題に、探りを入れて見る――
「それとは、お話が違いますが、昨晩、さる御城内お役向の御一座から、お招きをうけました節、あなたさまの御評判を洩れうけたまわって、かずならぬ身も、大そう嬉しゅうござりました」
「ほう、役向の衆から、わしの評判を聴いたとな!」
と、人気渡世の役者以上に、世評が気になってならぬように、大商人が、膝を乗り出して来た。
「それは、また、どんな評判を?」
「わたくしに、江戸では、主にどのような方々の御贔屓になっているか――なぞ、お尋ねでありますゆえ、ここぞとばかり、口幅ったくも、お名前を申し上げました。