Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme
「では、太夫、わたしが、この場で、死んでくれと申したら――」
浪路の全身は、火のようだ――その躯を、もっともっと抱きしめて貰いたい。
「そなたには、何となく愛がない――わたしを出来るだけ、遠くにはなして置きたいと思っておいでに相違ない」
雪之丞は、ほおっと、深い吐息をして、顔をそむけてうなだれた。
「わたくしの、あれからの気持を、御承知でいて下すったら――」
「あれからの気持とはえ?」
浪路はぐっと、身をもたせて、そむけた顔を追うようにのぞき込む。
「とても、張り合うことの出来ない、しがない身と、天上のお方――それを考えると、同じ人間に生れながら、何というはかないことかと――」
「そなたが、しがないと、おっしゃるのかえ?」
「公方さまと、河原者――これほど天上、地下とはなれた世界が――」
浪路はパッチリと、目をいて、雪之丞の両手を取って、ぐっと顔をみつめるのだった。
「それを言われるのか? 太夫」
「申しますとも――」
「そなたが、そう言うなら――」
と浪路の声は、掠れもつれて来た。
「わたしにも覚悟がある」
雪之丞は、舌の根を噛み切りたい。
――何をわしは言うているのだ。