Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme
「おや、では、泥棒だね――しかも、女子――」
引ッぱずされて、よろめく足をふみこたえて、ビュッ、ビュッと、切ってかかるのを、すっと隙につけ入って、利き腕を逆に取った、白い顔、匂いの美い女装の男性。
「騒ぐと人が来ますぞ。わしは、当家に恩のあるものでもない――見のがすほどに去ぬるがいい――」
裏庭の暗がりを、肉体のしなやかさにくらべて、驚くべき膂力を持った不思議な人間は、ぐいぐいと、お初を塀の方へ曳いてゆく。
「なら、人の仕事の、邪魔をせずともいいだろうに――こんちくしょう!」
お初はもがいている。
「もっともじゃ、じゃが、わしとても、この家から、泥棒を追いはらったとなると、鼻が高いゆえ――ほ、ほ、ほ」
女装の男は、妙な笑いを笑った。
「一てえ、おめえは何だ? 女見てえななりをしやがって――」
塀際に近く、お初が呻く。
「わしが何だと不思議がるより、こちらが倍もおどろいたわ。江戸には、大した女泥棒がいるものじゃな――さすが、お膝下だ――」
そして、ふッと、相手が、びっくりしたように――
「おやッ、おまえは、江戸下りの――中村座の!」
と、叫ぶように、何で気がついたかそう言うのを、おッかぶせて、