Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme
ようし、三斎のむすめとだって、立派に張り合って見せようじゃないか。
そう思い立って、愚図愚図していられるお初ではない。
「婆や!」
と、叫びながら、手をパンパン鳴らして、
「婆や、お湯の支度をしておくれよ。急ぐんだよ――大いそぎ」
「お出掛け?」
と、台どころから言うと、
「うん、出かけるのさ、ちょいとめかして出かけたいのだよ」
小さいながら、檜の香の高い、小判型の風呂が、熱くなるのを待ちかねて、乱れかごに、パアッと着物をぬぎすてると、大ッぴらに、しんなりとしていて、そして、どこにか、年増だけしか持たないような、脂ッ濃さを見せた全裸に、ざあざあと、湯を浴びせはじめるのだった。
胸も、下腹部も、股も、突然かけられた熱い湯の刺戟で、世にも美しいももいろに変わる。
――おいらだって、文身ひとつからだにきずをつけずに、今まで暮して来たのだ――長さんの名前だって、二の腕に刺れやあしなかった――だけど、ねえ、太夫、おめえの名なら、このからだ中に一めんに彫ったっていいと思っているのさ。
ふっくらした腕を、左右、そろえて、見比べるようにしながら、こんなことを、彼女はつぶやくのだった。