Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme
道場の支度が相済んだら、早速、伝授し遣わそう」
彼は、そういうと、手を鳴らした。
内弟子が現れる。
「御神前の御灯明をかがやかし、御榊を捧げなさい。道場にて、この者と、用事あるによって、人払いをいたすがよい」
内弟子は、かしこまって去った。
間もなく一松斎は、起ち上った。
秘義伝授と聴いて胸おどり、足の踏み所を知らぬ雪之丞――強いて、心を静めて、跡につく。
最早、夜稽古が始まる時刻で、道場に詰めかけていた、通いの門弟たちは、控え所の方へ追い出されていた。
道場壇上の正面、天照皇大神宮、八幡大菩薩――二柱の御名をしるした、掛軸の前には、燭火が輝き、青々とした榊が供えられていた。
その壇上に、ピタリと端坐した一松斎、道場の板の間に、つい一松斎の足下にひれ伏した雪之丞――粗朴剛健で、何等の装飾もない十間四面の、練技場。ガランとして人気もない中に、雪持寒牡丹の模様の着つけに、紫帽子の女形が、たった一人、坐った姿は、異様で且妖しかった。
「ではこれから、秘伝伝授の儀に移ろう」
一松斎はそういって、額ずく雪之丞を見下ろすと、祭壇に向って、柏手を打ち、深く、跪拝して、いつも神霊の前に供えてある、黒木の箱の蓋をはねると、中から、一巻の巻物を取り出した。