Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme
剣を取っては、いかなる大敵をむこうにまわそうと、決して怯みは見せぬ雪之丞も、思いがけないところから現れた、根性のひねくれた、浅間しい望みに狂った、つまらない踏みはずしの女を敵にして、今や途方に暮れざるを得なかった。
そのとき、彼のこころに、ふッと、浮んだのが、浅草田圃に、牙彫師らしく隠れ棲んでいる、あの闇太郎のことだった。
――そうだ! こんなときこそ、あのお人に相談しよう――あのお人なら、望みを打ち明けても、決して歯から外に洩らすことではあるまい。そして、今の、あの、不思議な女とは、いわば同業、世にいう、蛇の道はへびとやら――かならず何んとか、渡りをつけ、うまくさばいて下さるに相違ない――相手も女ながら、泥棒渡世をしている身、黄金を山と積んだなら、どこまでも、わしにあらがおうとはせぬであろう――そのほかに道はない――
と、思い当ると、雪之丞は、丁度、むこうから来た、戻りの辻かごを見つけると、
「かごの衆、浅草田圃まで――」
もはや、褄もおろして、やさしいものごしだ。
「へえ、ありがとうさん――お召し下さいまし」
トンと、下りたかごに、乗ると息杖が立って、