Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme

Aozora Bunko

――それとも、追剥ぎ、ゆすりか? それなら、いかに物騒な世の中だって、おもしろすぎる――この黒門町のお初をおどしに掛けようとは――

かごが、とんと下に下ろされたので、

「若い衆、何ですね? こんなところへ下ろしたりして――」

と、わざと、中から、探りの声をかける。

「何だとおっしゃって――どうにも仕方がねえんで――」

「うるせい! 黙っていろ!」

と、叱ったのは、癇癪持らしい若い声だ。

「かごの中のお人、しずかにしておいでなせえよ――騒ぐとために成らねえ――」

と、同じ声が――

「さあ、愚図愚図しねえで、からげてしめえ」

お初は、その言葉で、何かしら巧にかかったのだと直覚した。

――そうか! 闇太郎の奴、苦しまぎれにハメやあがったな――男らしくもねえ。

垂れを、パッと刎ねて、匕首をつかんで、飛び出そうとしたが、もう遅かった。その時にはかごを繞って、丈夫な縄が、ぐるぐるとまわされて、切り破るにも法がつかない。

「姐御、まあ、おとなしくしていさッし」

と、馬鹿にしたように若者はいって、

「なにも、いのちを取るの、奉行所へかつぎ込もうというのじゃあねえんだ。姐はんがのさばり出しては、都合がわるいんで、一時、寺あずけというわけさ、まあ、まかしておきなせえ――さあ、若い衆、いそいでくれ」