Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme

Aozora Bunko

のッぴきならぬお迎いが見えぬうち、わたしは、この屋敷から、屹度屹度、すがたを消して見せまする。そして、しばらくするうちには、慈悲ぶかい父上、かならず御殿を何とかいいこしらえ、晴れて、そなたと共ずみも出来るよういたして下さるに相違ない――のう、雪どの――早う、その日が来ればようござりますなあ」

「ほんに、たった一度でも、そのような日に生きることが出来ませば、はかないこの身、いかなる科に逢おうともくやみませぬ」

雪之丞は、ひたむきに、恋に焦れ、ひとすじに、父親の愛情にすがろうとする、浅はかな女の心根が、不憫にも思われる。

――哀れな女性よ! そなたは、わしの心の中には、いうまでもなく気がつかず、また、あの三斎隠居の、やさしげな顔に、どのような冷たさがかくされているのかも知らぬのだ。あの老人は、なるほど、良いむすめである間は、そなたをいかほども愛くしもうが、一度、心に背き、自分の栄華栄達の道具に使えぬとわかったときには、子にもせよ、娘にもせよ、もはや敵として憎むほかはないであろう――

雪之丞の胸は、暗くなり、気弱ささえ出て来たが、そのとき、廊下で、足音がして、衣ずれが近づいた。