Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme

Aozora Bunko

「え? 頼み? 何なりと――身に叶うことなら」

何でもなげに広海屋は答える。

「有りようは、広海屋さん、折角そなたが、上方から、江戸表まで廻漕なされた、五艘の米船――それを、大坂に引ッ返させなさるか、それとも、例の廉売り、投げ売りを思いとまって、わし達の手に渡してはいただけないか?」

長崎屋は、皺枯れた声で、思い入った調子で、こう言い切った。

広海屋は、あからめもせず、相手の顔を眺めた――むしろ、呆れたという表情で――

「長崎屋さん、少しばかり、それは無理な御注文だの」

「いかにも、無理は、よう知っています。そこを、何とか、御勘考なされて――」

長崎屋は、頭を下げて見せた。

広海屋は、首を振って、

「どうも、ほかのことなら、そなたとわしの仲、何ともしようが、今度のことばかりは、この広海屋も、損得を捨て、ただ人さまの為になろうとして、思い切っての大仕事――すでに、お上すじとのお約束もあり、こればかりは堪忍して貰いたい」

「では、おぬしは、年来の交誼を捨て、この長崎屋の、咽喉をおしめになるつもりだの?」

「何の、そんな、馬鹿らしいことが――」

と、広海屋はカラカラと笑って、