Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme
広海屋の目つきが、キラリ不安そうにきらめいたが、
「は、は、なるほど、そんなこともいうていたの? なに、何でもないはなし――お互に長崎にいたとき、わしの商売がたきに、ある老舗があったのを、あの男と、力を合せ、あきないの競り合いに、競りまかして、のれんを下ろさせたのだが、そんなことは、商人道の恒――罪も、とがもあろうはずがないのじゃ」
――悪逆無道な、罠にかけ、父御を破滅させ、母御まで死なせて置いて、罪も科もない――商人の恒だとは!
雪之丞の、腸は、煮えくりかえる。が、彼は冷たく誓う――
――まず、しばしの間、存分なことを言うておるがよい。長崎屋の殷鑑は、見る間にそなたの身の上であろう――
「又しても、興ざめのことばかり――さ、にぎやかに一はしゃぎしようのう。これ芸者たちはどこへ行った? 今夜は、小粒かくしをして遊ぼう。わしが隠す銭、探しあてた者は、いくらでもにぎわそうぞ」
酒興は、狂おしく起った。雪之丞は、もとより廓内に足ぶみを、公けに出来ぬ役者の身、それを口実に、いい頃合いを見はからって、姿を消したのだった。
一六
仲之町の引手茶屋から、複雑な気持で、かごを走らして宿に戻った雪之丞は、真夜中にもかかわらず、そこに、一人の男が自分を待ち兼ねていることを、召使から告げ知らされた。