Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme

Aozora Bunko

「時世時節じゃ、屋形船にも、大根を積むとかいうからね――はい、御返盃!」

法印、茶碗は受けたが、もう、生憎、白丁は空だ。

お初は、空徳利を、振って、

「何だねえ、もうおつもりじゃあないか?」

よくまあ、こんなしたみ酒を呑ませに来た――けちな奴だ――と、いいたげな目つきだ。

「だって、一人で、さんざ飲んでから、お前を思い出したのだもの――」

と、いいわけするのを、

「でも、お坊さん、ちっとも酔ってはいないじゃないか――」

「種切れなんだ」

「つまらねえ――お坊さん、もう少しどうにかおしよ。あたしだって、生じっか口をしめしたんで、後を引いてなりゃあしないよ」

「弱ったなあ!」

法印、いが栗あたまを叩いたが、折角の、今夜の歓会を、このままには、彼自身も、どうもしがたい――物足りない。

考え込むのを見て、

「じゃあ、こうおしなさいよ。あたしはここで、錠を下されて小さくなっているから、そこまで行ってかせいでおいでなさいよ」

お初はそんなことをいい出した。

五

お初の気軽げな申しいでは、法印にも活路をあたえたように見えた。

「そうか、そうすりゃあ、これからおいらも、緩り飲めるというものだが、しかし、その留守に、おまはんに悪あがきをされると、ちっとばかし、困るからなあ」