Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme
と、師匠は頷いて、
「してその、門倉とかいうお方は、余程のお腕前かな?」
「それはもう、一松斎先生が、一のお弟子と、お取り立てになった程の仁、まず何処へ出しても、引けをお取りになる方ではござりませぬ。わたしが、あの方の、暗中からの不意打ちを、どうやら防ぐことが出来ましたのは、何しろ、あのお方は、闇打ちは卑怯なことと、お胸の中で、何処か怯がおありでありましたろうし、それに、日頃信心の、神仏の御加護があったためでもござりましたろう。決して、油断も隙もなるお方ではござりませぬ」
と、雪之丞は、いつもの謙遜で答えた。菊之丞は、弟子の顔を見詰めて、
「そうじゃ、そうじゃ。いつもその謙遜を忘れねば、芸術も兵法も、必ず、至極の妙に達しることが出来るであろう。その志は、わし達のような年になっても、構えて忘れてならぬものだ」
などと、話しているところへ、来たのは、今度の座元、中村座の奥役の一人だった。
かたばみの紋のついた、小豆色の短か羽織。南部縞の着付。髷を細く結った、四十あまりの男は、丁寧に、菊之丞の前に挨拶して、
「大分、時刻が遅うござりますが、太夫元の方で、是非お耳に入れて、お喜ばせ申した方がいいと申しますので、出ましたが、――」