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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme

Aozora Bunko

そして、鐘楼の石垣にとりついて、前庭の方へ目をやったとき、彼は、覚えず、抑え切れず、

「あッ! しめた!」

と、わめきそうになって、声を呑んだ。

その刹那の、闇太郎のうれしさ! 見よ、二十間あまり離れた、本堂の縁先、鈍い、紅い、おぼろな光りに照らされて、あの、なつかしい、心の友が、相もかわらず落ちつきを失わず、しっとりと荒菰の上に座っているのだ。

――ふうむ、じゃあ、あの銃音は、おどかしのためだったのか? おどかしだとすれば、ああしてじっとしているからには、いのち取りの弾丸にやられるはずはねえ。

と、見つめていると、何やら、女の声が、嘲けるように聴えたと思うと、ひらりと、本堂の高縁から、飛び下りた人の影!

――よッ! お初の奴だ! しかも、短銃を持ちゃあがって!

闇太郎は、息を呑んだ。

六

白い脛もあらわに、褄を蹴りみだして、沓脱に跳ね下りると、庭下駄を、素あしに突っかけて、短銃を片手に、雪之丞の前に歩み寄るお初――闇太郎は、俄かに咲き出した毒の花のようなすがたを、呪いに充たされて、みつめ続けた。

――畜生! いけねえ魔物を掌に握っていやあがる――あれせえなけりゃあ、糞! こうしちゃあ見ていねえのだが――