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Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme

Aozora Bunko

「今、池の端から人が駆けつけて、手入れがあって、お杉さんが、番所へ引かれたというのですよ」

「何だって、お杉が!」

さすがに、お初の語韻に、驚きがまじる。

「姐御が、立ち廻ったのが、ばれたんだそうですよ」

「ふうむ?」

「それで、若し、どうかした拍子で、川向うへ来たことが知れたら、一騒動、とにかく、容子を知らせろと、頼まれて、お杉さんの懇意な人が、飛んで来てくれたのですが――」

「では、役人に、今夜のことが知れたというのか?」

と、門倉平馬が、臆病風に誘われたようにいう。

「お杉さんは、何もいいはしますめえが、あそこには、雇婆あもいるし、――万一、底が割れたら、もうじき奴等が押しつけて来るものと思わなけりゃあ――」

吉が、そう答えたとき、お初はもう、すっと立ち上っていた。

立ちながら――

「平馬さん、奴等が近づいていると、あたしの武器じゃあ、音がして悪い――あんたの手を借りなけりゃあ――」

お初、吉の言葉に動顛させられて、今は、雪之丞に対する複雑な気持をじっと、持ち怺えることさえ出来なくなり、一思いに、殺害してしまおうと、決心したものと見えた。

「心得た」

相手が、穴ぐらの中で、自由を失っているのであれば、大して手向いも出来るものではない――と、考えたらしく、平馬は言下に大刀を掴んで突ッ立った。