Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme

Aozora Bunko

火事と、赤児の行方不明とに、自分の方を注意するものなぞあろうはずがないと安心してか、からだを半分以上のり出して、真紅な火光を、すさまじく引き歪んだ顔に受けて、いわば赤鬼の形相――声に出して、嘲りつぶやいている。

「は、は、は、ざまを見ろ! 広海屋が、あばれおるわ! 女房が狂いおるわ! 気の毒だな! 可哀そうだな! おぬしのように、鬼よりも、けものよりも、情も、涙もない奴も、友だちを売って、破滅させ、おのれ一人高見の見物する奴も、やっぱし子供は可愛いか? は、は、は、ほ、ほ、ほ、わめきおるわ! あばれおるわ! もっともっと、さわげ! 狂え! もっともっと、苦しめ! もがけ! 泣け! 畜生! まだまだ泣き足りぬわ! もだえ足りぬわ! は、は、は、ざまを見ろ!」

彼自身は、まるで、狂気もしておらぬように、冷厳な審判者でもあるように、みつめつづけて、額を叩いてよろこんでいる。

「へ、へ、へ、どんなに騒ごうとあの赤児が、帰って来るものか――このおれが、盗み取って、とっくに、賽の河原の婆さんの使に渡してしまってあるのだ。へ、へ、へ、なんと、広海屋、こたえたか――胸に、胆に、たましいにこたえたか! ひ、ひ、ひ、へ、へ、へ、――ざまあ見ろ!」