Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme
どうにもして、此の世で、今一度、かのお人に、逢わせてくれるよう、はからっては貰われぬか?」
ほんに、いかに、主従同然な仲とはいえ、女性の口から、このことをいい出すのは、さぞ苦しいことであったであろう。甚太郎にもそれはよくわかるのだった。
「はい」
と、切なそうに、彼はうなずいて、
「それはもう、わたくしも、あの後、何度となく、人目にかくれて、かのお人のお宿まで、出向きましたなれど、いつも、あいにくお留守のあとばかり――」
「いいえ、大方、わたしよりの使と察し、間のものが、取りつがぬものでもあろう――あのお人は、なかなかに心のゆき渡った方でありますゆえ、なまじ逢うては、わたしにあきらめの心がつくまいとわざとさけておいでのことと思えど、このままでは、わたしは、もう、生きつづけてゆけぬ気がします――いのちの火が、燃えつきてしまうような気がします。ねえ、わたしをあわれと思って、乳母と二人力をあわせ、何ともして、逢瀬をつくってはたもるまいか?」
浪路は思い入った調子で、
「もし、そなたが、いとわねば、わたしみずから、身をやつしてなりと、かのお人の宿元まで、忍んでゆきたいと思うのだけれど――」