Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme

Aozora Bunko

赤茶けたあんどんに、お泊り宿――

お泊り宿は名ばかり、小ばくちの宿をやったり、兇状持、お尋ね者なぞの、隠れ家になったりしている、お目こぼれの悪の巣で、お三婆という、新宿の、やり手上りの侘住居だ。

そのいぶせき軒下に、かごが、とんと下りて、

「おまちどおさん」

後棒、先棒、ぎょろりとした目を見交して、冷たく笑った。

パラリと、上げた垂れ――のぞき見た浪路が――

「ここは?」

「ここは、山ノ宿――」

「では、この辺に、大坂下り雪どのの――中村座の雪之丞どのの宿があらばと――たずねてたも――」

浪路が、一生懸命な調子でいう。

「ナニ、雪之丞の? へえ、あの名うて艶事師の? いえ、なに、これが恰度、その、雪之丞さんの、宿屋でごぜえますよ。へ、へ、へ」

先棒が、つかんだ手拭で、ちょいと、額を拭くようにして答えた。

一六

「出なせえよ、ねえさん、さあ、ここが山ノ宿、たずねるお人のお宿――」

と、一人がいって、垂れの中の、白い顔をのぞき込んでいるうちに、後棒が、どんどんと、お三が宿の、入口の雨戸を叩いて、

「ばあさん、お客さまだ――早いとこ、あけてくれ」

ドン、ドン、ドン――と、手ひどいひびきに、中から、まだ、寝ついてはいなかったらしく、