Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme
「逢うたはじめより、何とはなしに、誰ぞに、おもかげが似寄ったように思われる太夫――一たい、そなたはどこの生れぞや?」
「御隠居さま――いいえ、そのかみの長崎奉行、土部駿河守さま――わたくしのおもばせに、それではお見覚えがおありあそばすのでござりましょうか?」
雪之丞、少し、身を斜めにするようにじっと相手の面体に、冴えた目を据えた。
「うむ――たしかに、誰ぞ、似た顔を見たような――」
三斎は、ますます魅入られたもののように瞳を凝らす。
しかも、だんだん、その表情に恐怖と不安とが添わって来て、やがて、
「おお、そうじゃ! たしかに、かの者に!」
と、叫んだが、自分を押えはげますように、
「いやいや、そのようなことがあるはずがない――馬鹿らしい妄想だ。雪之丞、何でもないのだ。わしは少し頭が疲れていると見えるぞ」
四
雪之丞は、三斎を勁い目でみつめたまま、しかし口元の冷たい笑いを絶たなかった。
「長いようで、短い一生――短いようで、長い一生――いろいろなことが、この世では、あるものでござります。わたくしも、こうして、御身分高い、あなたさま方に、お目通りが叶うことが、この世であろうなぞとは――」