Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme
それを、この目で眺めたら、とても怺えてはおられまいと、師匠も、大方、今日まで、わたくしの江戸下りを、止めていてくれたのでございましょうが、今度、一緒に伴れて来てくれましたはあの仁も大方、もうわたくしに、望みを晴らせよ――と、許してくれたのだろうと思います。それゆえ、遠からず、たとえ力は叶わずとも、思い切ッて起ち上ります覚悟――その一生の瀬戸際に、ふと、八幡宮に通りかかり、祈念のためぬかずいての帰り、先生にお目にかかれまして、こんな嬉しいことはござりませぬ」
青年俳優の眉目には、最近一身一命をなげすてて、大事にいそごうとするものだけが現す、あの勁く、激しく、しかも落ちついた必死、懸命の色が漲るのであった。
「それもよかろう――」
と制めもせず、老人はうなずいた。
「しかし、大事は、いそいでも成らず、いそがずでも成らず――頃合というものがある。変通自在でのうてはならぬ。その辺の心掛けは、夙から訓えて置いたつもりゆえ、格別、案じもせねど、また、何かと、このようなじじいでも、頼りになるときがあらばたずねて来るがよい」
「いつも、このお社に御出張でございますか?」