후리가나로 읽는 일본 고전
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
柳田 国男의 故郷七十年(こきょうしちじゅうねん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 257,350자 · 507화면
母親の方だけはながく残っていたが、この母親が幼い兄通泰を井上家につなぎ留めるために苦心したわけであった。そしてそのお蔭で、弟の私までがいろいろ優遇せられたのであった。
兄は十五歳ぐらいで上京したが、大きくなってからも村に帰って住むわけにはいかないので、できるだけちょいちょい帰って親孝行をしようと考えたらしい。多分二年おきに、三回か四回帰ってきたように憶えている。三回目のときは私を連れて東京へ帰ったときではなかったか。その前のときにはドイツ語を大変勉強していたとみえ、ドイツの話をしてくれた。後で知ったが、それはグリムの童話を教えてくれたのであった。
もう一つ憶い出すのは、兄は字を書くのにJペンを使っており、いつもたくさん買ってもってきた。少し使っていやになると、つっとすててしまうので、「もらっていいか」というと、「みなもっていっていいよ」というので、こどもたちはみなそれを貯えるのであった。お互に何とかしてくれたらペンを一つやるといって、ペンの数をふやす工夫をした。兄の帰省中はそれをねらうのが目的で、よく井上の家へ行った。
私の近所にちょっと変った息子がいて、鶴という名の友だちであったが、いつも私の顔をみるとひやかし半分にいったことを思い出す。