후리가나로 읽는 일본 고전
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
柳田 国男의 故郷七十年(こきょうしちじゅうねん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 257,350자 · 507화면
東京の印象
私は見ないようなふりをして、私と同年輩の坊ちゃんを観察することにした。やがて女中が「若さま、ビスケット召し上りますか」とたずねている。「ほう、ビスケット!」私はどんなものかと、好奇の目を輝かしてなおも見ていると、掌に一つしか乗っからないような大きなものであった。それを二人が食べているのが、東京に入る夜の印象であった。
東京の印象
長い旅の疲れで、兄の下宿に着くとその夜はくたびれてゆっくり眠ってしまった。
翌朝は早く起きると、東京はどんな所だろうと、兄が眠っている間に本郷の通りに出た。いまもその本郷の朝の景色が記憶に残っているが、まだ当時は電灯がなく、ガス灯の時代で、脚立をもった人夫が点灯して回る時代であった。いまとはまるで違ったガス灯が夜明けのひっそりした街に点っている当時の光景が、私の東京風景の第一印象であった。
下宿から出たとっつきに風呂屋があって、そこから何軒目かに絵草紙屋があった。末の弟(映丘=輝夫)が、六つぐらいでちょうど絵をやっていたので、後にはこの店で錦絵を買っては送ってやったものだ。当時は芳年のものなどが流行っていて、「月百姿」などという、月を主題にした一枚絵などが、店頭にいまの新刊書のようにして飾ってあったことを思い出す。