후리가나로 읽는 일본 고전
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
柳田 国男의 故郷七十年(こきょうしちじゅうねん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 257,350자 · 507화면
残った祖母がまだ若いので、周囲の人はまた何処からか縁があるだろうぐらいに思っていたらしいのだが、本人は古風な道徳観の人で何といっても頑として聞き入れなかった。私の父が一人生れていたからまだよかったわけではあるが……。
ところで、この祖母の母に当る人というのは、法華宗の家の出であった。代々松岡家は天台宗門で、他宗との結婚は許されないのであるが、自由結婚をして松岡家に入ったのである。そこへたまたま、辻川の村からは市川を隔てた福崎町の山崎という所にある妙法寺という法華宗の寺に、京都の本山から蟄居を命ぜられた僧侶が来ていて、周囲の目ぼしい檀徒を自分の寺にひき入れたことがあった。その時、親孝行を楯にとって自分の子の左仲という医者(この人は顔にコブがあったために人に会うのを嫌い、往診を断るので流行らなかったらしい)を無理に法華宗へひき入れた。松岡家の本山は妙徳山神積寺というやや格式の高い天台門の寺院だったから問題になり、親孝行のためとはいいながらも本山から訴訟されて追放になり、娘(私の祖母)をつれて京都へ引き移った。ちょうど教育を受けなければならない時期を、何一つ教えられずに幼時を過した祖母は、京都で生活の資とした鹿の子絞り以外に家事のことは何も知らなかったということである。