후리가나로 읽는 일본 고전
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
柳田 国男의 故郷七十年(こきょうしちじゅうねん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 257,350자 · 507화면
後年内閣の文庫を整理する職務についた際も、常にこの空想に取付かれていて、皆川・富士谷両家和漢の碩学の著作を手にするたびに、何か手掛りはないかと、むしろ雑記や端書の類に注意した他に、一方奈良県出身の知人に対しては、もしか尾芝という変った苗字の人を知ってはおらぬかと尋ねてみたり、さらに一歩を進めては、郡山の町役場に出かけて、旧藩士の中にはこの家名はないかなどと、掛りの人たちの半日を潰させたことさえあったが、結局は全部が徒労であったことが判って来て、自分は失望落胆し、井上はまた小っぴどく私の粗忽を責めた。
詳しく説明することは気が重いが、結局はこの少壮有望の学徒はまだ独身のうちに病死したのである。遺骸をそのままに運んで来て、故郷の家の墓地に埋めたのを、私は家人が愛情のあまりに、別に記念の石を建てたものと解していた。十数年前に出版せられた『北条町誌』に転載してあるのはその碑文であろうが、井上はそれを詳しく読み、私は早いころに見たままで少しも記憶していなかった。郡山の柳沢家に抱えられたかと思ったのも空想で、実際はそれよりもまだ南の小泉の陣屋、水野とかいう大名の領地の一部で、そこの役所の駐在員に読書筆札を教えた嘱託の類だったかもしれない。