후리가나로 읽는 일본 고전
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
柳田 国男의 故郷七十年(こきょうしちじゅうねん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 257,350자 · 507화면
大きな三人の兄が遠くに出て居て、父も本ばかり見て居る人だったので、少しは独り言の聴き役のような地位に在ったからでもあろう。その癖横合いから少しでも不審を打つと、忽ちおまえはまだ子供やさかい、の一言を以て押さえられ、自分も亦自ら戒めて、そんなことは聴かせぬようにせられたようである。
しかしあの頃の世相の変化には却って現代よりも複雑で、又烈しいものが多かった。以前は市や祭礼の日の為に具わって居た村の道路が、一旦国道に指定せられると、無理しても路幅をひろげ又まっすぐにして、成るべく遠望のきく場処に、所謂人力車の立場を設け、そこには里程表と籤を引く麻縄の束を引掛けて、仕事着に足ごしらえをした村の若者等が、何人か順番に出て待つことにして居た。電話も自転車もまだ発明せられぬ時代だったけれども、綱曳き後押し附きの大事な客人は、やはり前以て通知が出来るようになり、従って要処要処の大きな立場だけは、大抵はきれいな茶屋、又は旅館に従属するようになり、私などの七つ八つ頃には、もう少しずつ所謂脂粉の気がただよい始めて居た。母は悪い言葉を覚えて来ては困るという理由から、たとえば遠方から始めて来た人力の背なかに、どんな珍しい絵がかいてあるかを見に行くような時にも、見たらすぐ戻るという条件を付けることを忘れなかった。