후리가나로 읽는 일본 고전
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
柳田 国男의 故郷七十年(こきょうしちじゅうねん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 257,350자 · 507화면
私の日記はくわしいことは書かず、人の往来とかメモぐらいしか書いてないが、あのころはよく丸善に行ったらしい。
丸善については、こんなおかしな話がある。ある時、本を注文して届けさせたところ、めちゃめちゃに破れた本をだまって配達して来た。文句をいうと、あの本はあれ一冊しか来ませんで、あなたに頼まれたからお届けしましたが、途中で破れたらしいからどうすることもできません、と断りをいって来たことがあった。
同じ三十九年の日記に、
「志賀直哉といふ人、ピネロの作全部を買ひたりと、如何なる人にや」と書いてある。
ピネロというのは、プローズ・ドラマ(散文戯曲)を英語で書いた有名な人である。私のところにも一時ピネロの作が非常にたくさん集まった。イプセンなどと相前後して、韻律をふまない、勝手にかけるドラマを書いたのであった。同様の人は他にもあるが、ピネロがいちばん有名な人であった。それが一時丸善に大分来たのであろう。
この日記は、志賀君という人がピネロのものを読んでいることを聞いて、私がちょっと驚いて書き止めておいたものらしい。お金に困らない人だからそんなものを買って何とも思わなかったのだろうけれども、私の方ではピネロの全集を買った人のあった話にびっくりしたわけである。