轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
それでもわたしはいく
それでも私は行く
織田 作之助
「京都日日新聞」1946(昭和21)年4月25日~7月25日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,708 字 · 181 页
であるだけに、ねちねちした口調で、ポツリポツリ語りだした。
「亀がね、――三匹おったんだ」
「四匹でも構わんのでしょう」
「べつに差しつかえはない。四匹ということにしよう。四匹の亀がね、咽喉が乾いたな。なんぞ飲みに行こうやないかと言ってね、喫茶店へ珈琲を飲みに行ったんだよ。ボーイが四人分の珈琲を持って来て、いざ飲もうとすると、雨が降って来た。そこで、三匹の大きい方の亀が一番小さい大人しい亀に、お前一走り行って傘を取って来いと言うと、小さい亀が言うのには、おれが傘を取りに行ってる間、おれの珈琲飲んでしまう積りやろ。――いや、大丈夫だ。お前が帰るまで残して置いてやるから行って来い。じゃ、行って来ると、小さい方の亀は傘を取りに出て行ったんだね。ところが、一週間たっても帰って来ないんだ。おかしいな、あの男どうしたんだろう、いっそこの珈琲のんでしもてやろか、三匹の亀が言った途端、喫茶店の入口にじっとかくれてなかの様子を見ていた小さい方の亀が、いきなり、こらッ、飲んだらあかんぞ――と言ったというんだ。中の連中が珈琲をどうするか見てやろうと思って、一週間入口で待機しとったんや。