轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

それでもわたしはいく

それでも私は行く

織田 作之助

「京都日日新聞」1946(昭和21)年4月25日~7月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,708 字 · 181 页

青空文庫

四

横顔がはっとするくらい美しい。

望月はくわえていた煙草をポンと捨てると、その女のあとをつけて行った。

女は小野屋旅館の玄関へ姿を消した。

望月は思わずにやりとした。小野屋は彼の泊っている旅館なのだ。

望月が小野屋の玄関へはいった時、女はもう二階への階段を上りかけていた。

望月はあわてて靴をぬぐと、あとを追うて随いて上った。

女は望月の部屋の隣へはいって、ピシャリと襖をしめた。

望月は、

「しめたッ!」

と思いながら、しばらくその襖を見ていたが、やがて自分の部屋へはいり、鏡を覗いていると、隣の部屋の襖をあける音がした。

続いて、男の声がした。

「御免下さい。――御面会の方が……」

番頭らしい。

四

「面会……?」

と、赤いブラウスと黒ズボンの女――相馬弓子は眉をひそめた。

「――誰方でしょう……?」

「お名前はおっしゃいませんでしたが、高等学校の学生はんです」

番頭がそう答えると、弓子は、

「高等学校……?」

ふと蒼ざめて、窓の外の鴨川の流れに眼をやった。流れと白さと、堤の桜の若葉の緑が眩しい。

「――お通しして頂戴!」

やがて、三本の白線のはいった穴だらけの帽子を無造作に掴んで、のそっとはいって来たのは、果して梶鶴雄だった。