轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

それでもわたしはいく

それでも私は行く

織田 作之助

「京都日日新聞」1946(昭和21)年4月25日~7月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,708 字 · 181 页

青空文庫

六

そのことをきくと、伊村は、

「新聞社できいたんだ。訪ねようと思ってね」

「で、訪ねたの……?」

「うん」

「会ってくれたか」

「会うてくれたよ。しかし、呆れたよ。小田策さん、サルマタの紐を通しながら話をしやがるんだ。奴さん、女房の家を追い出されて、京都へ流れて来てるらしいね。とにかく呆れたよ。――君、はいるんだろう。じゃ、失敬!」

伊村は言うだけ言うと、さっさと行ってしまった。

やがて、宮子が出て来た。

「お待たせしました」

そして、鶴雄を促して、玄関へはいった。

「どうぞ」

女中に案内されて通されたのは、二階の一番奥の控え部屋のついた静かな六畳の部屋だった。

鶴雄ははいるなり、

「おや、あの人いないんですか」

立ったまま不機嫌な声で弓子のことをきいた。

六

「さア、どうしたんでしょうね」

と、宮子は空とぼけた。

「おかしいな」

鶴雄の声はますます不機嫌になった。

「おかしいわね、本当に……」

と、宮子も調子を合わせて、

「――だけど、おひるにここへいらっしゃるって、おっしゃったんだから、今にいらっしゃるわよ。――いやねえ、怖い顔をして、突っ立ってなんかして……。お坐りになったらいかが……」