轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
それでもわたしはいく
それでも私は行く
織田 作之助
「京都日日新聞」1946(昭和21)年4月25日~7月25日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,708 字 · 181 页
四
人通りも多い。春のせいか、土曜日のせいか、いやらしいくらいの雑閙だ。
その雑閙に揉まれながら、河原町の交叉点を横切り、疎開跡と広場まで来ると、人だかりがしていた。
「何だろう……?」
と、思いながら寄って行くと、スピード籤の屋台が出ているのだった。
「そうだ。今日一日のおれの行動をスピード籤に賭けてみよう」
と、鶴雄は咄嗟に呟いた。
十円で五枚買って、五枚とも全部一等に当ったところで、合計五百円の賞金が貰えるだけだ、たった五百円、賭けというには、余りにしみったれているが、しかし、あり金全部の十円を賭けてみることで、今日一日の行動が方向づけられないとは限らない。
「まず賭けてみることだ」
籤がすっかり外れて、一文なしになって、今日一日暮すのも面白い……。十円持ってぶらぶら倦怠の一日を送るのはつまらないじゃないか。
そう思うと、鶴雄は行列のうしろに並んだ。
五枚買うと、すぐその場で開いて見られるように、鋏を入れてくれた。
鶴雄は屋台を出ると、当り籤の番号の掲示板の出ている前へ立って、何の感情もなく、一枚一枚開いて行った。
四
掲示板には、上より順に一等、二等の番号が出ていた。