轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

それでもわたしはいく

それでも私は行く

織田 作之助

「京都日日新聞」1946(昭和21)年4月25日~7月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,708 字 · 181 页

青空文庫

そしたら、梶君の行動は小田君が知っている筈だから小田君にきけばいいでしょう――と小田さんの小説の計画のことを伺ったんです」

「なるほど……」

「じゃ、ちょっと拝見」

司法主任は小田のノートを熟読した。

「あ、これですね。(梶鶴雄と五時頃四条河原町で別れる)――とありますね」

「ええ。完全なアリバイでしょう」

「そうですね」

司法主任の言葉を聞いて小田はほっと安心して、

「これで梶鶴雄に掛った嫌疑は晴れたのだ」

と思わず表情も明るくなったが、ふと、

「――じゃ、犯人は君勇なのか」

と、思うと、急にまた眉が曇った。

「――とにかく、君勇は自分が犯人だと、自白しているんだ」

鶴雄が犯人だと思うことは無論辛かったが、しかし君勇が犯人だと思うこともまた、それに劣らず小田にとっては辛かった。

「じゃ結局君勇ですか」

と、小田はきいてみた。

「さアどうでしょうかな」

と、司法主任はそのことには触れず、

「この相馬弓子という女性は、本当に掏摸なんですか」

と、いきなり言った。

小田ははっとした。

鶴雄を救うために見せたノートが、こんどは逆に弓子に迷惑を及ぼすのか。

「…………」

小田は咄嗟に、弓子が掏摸だと答えられなかった。