轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

それでもわたしはいく

それでも私は行く

織田 作之助

「京都日日新聞」1946(昭和21)年4月25日~7月25日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,708 字 · 181 页

青空文庫

「ふーん。こいつは面白い」

弓子は男のような口を利いて、

「――人生って面白いわね」

「で、君は……?」

と、こんどは鶴雄のきく番だった。

「小郷虎吉に会いに来たのよ」

弓子はズバリと言った。

「そりゃ判ってる」

「何のために会いに来たのかと、ききたいんでしょう……?」

「うん」

「当ててごらんなさい」

弓子の眼は瞬間豹のようにピカリと輝いた。

「そうだね」

と、鶴雄は暫らく考えて、

「――まさか、姉さんがひどい眼に会わされたので、その抗議に来たのだとは思えないね」

「無論」

簡単に答えて、弓子は、

「そんなばかげた用事で来やしないわ」

「だいいち、小郷って男は、よく知らないが、そんなことを取り合うような男じゃないだろうからね」

弓子の姉の千枝子が素人娘ならともかく、商売女である以上、抗議は成り立つまいと、さすがに色町生れだけに、鶴雄はよく知り抜いていた。

「そりゃそうよ」

弓子は急ににやりと笑うと、

「しかし、小郷虎吉も案外可哀相な男ね」

「えっ……? どうして可哀相だというの」

鶴雄がきくと、弓子は、

「実はそれを言いにきたのよ」

と、謎のような口を利いて笑った。

八

「ふーん」