轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
「報知新聞」報知社、1927(昭和2)年10月~終号未詳
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 577,271 字 · 1141 页
「ふウむ……」
「通ってよろしゅうございましょうか」
「待て待て、門鑑を一見する」
「門鑑はこのとおりで」
「待てよ、ちょッと」
「へい」
「お手は?」
「へ?」
「おまえじゃない、御同役、お手は?」
少し負け色とみえて、盤に向っている男は、役目の方などはそッちのけで、
「何だッけ、お手は」
と、やッきになっている様子。
向うはすこぶる楽天的な態度で、
「お手かネ、お手は金銀さんご綾にしき」
「ふざけないでさ」
「だから、金銀に歩が一丁」
「金銀に歩か。ウーム……」
尺取はこの虚に乗じて、役宅のなかへまぎれ込んでしまおうかとも思いましたが、急いではあぶないと、わる度胸をすえて、わざわざ将棋の仲間へ首を寄せてゆきながら、同じように及び腰で、
「な、なるほど、こいつあ難局でございますね。こちらの持駒は? 角に桂馬? なるほど、角に桂馬と……ウーム……こいつあ打つ手がありませんネ……。王手と行くよ。金と下がる、そいつもまずいや」
「角屋、貴様も好きだとみえるな」
「とても、横好きの組なンで」
「何か名案はないか」
「さあ……どうも」
「弱ったな」
「弱りましたな」
仲間にはいって、いつかしら角屋ということを認めさせましたから、もうよい時分と、そろそろ足抜きの心支度をしていますと、そこへ不意に戻って来た最前の釘勘が、