轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

「報知新聞」報知社、1927(昭和2)年10月~終号未詳

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 577,271 字 · 1141 页

青空文庫

の綴文に相違ない。

首きられたそのばてれんの口書にも、はるばる羅馬の国から日本へ渡ってきたのは、夜光の短刀をさがしに来たので、決して、邪宗をひろめに来たのではない――という陳述がこまごまと写してあったのです。

けれど、時の役人――尾州家の者も、異教禁令の色眼鏡をもって調べているので、そのばてれんが夜光の短刀について、縷々陳弁をつくしているにもかかわらず、

(巧みに虚妄を申し立つるといえども神威のお白洲いかでかまぬかれん遂に拷問四十三日目に条々伏罪して獄門にかけらる)

と結んで、審議のあやまちは知らず、調書に誇って書いてある。

けれど見る者が見ると、

(夜光の短刀をこの日本へさがしに来たのだ! 布教ではない! 夜光の短刀がほしい!)

と白洲で叫びつづけたその者の口書には、どこかに真実が潜んでいたはずで、万太郎はそこへ自分の考察を朱筆で入れておいたものです。

偶然――その口書の内容と、今、日本左衛門がここで一同に話したこととは符節がピッタリと合っている。

「ウーム、そうか。率八よく聞かしてくれた、礼を言うぜ」

と、すべてを聞いて黙思した日本左衛門も、ここに一段と自分の捜索に眼界をひらかれた心地。