후리가나로 읽는 일본 고전
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
柳田 国男의 故郷七十年(こきょうしちじゅうねん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 257,350자 · 507화면
その兄は別に師に就いたわけではないが、大阪の旅寓でこんな辞世をのこした。
さをしかの身にはあらねど小夜ふけてかたぶく月にねをのみぞなく
父が明治維新の戸惑いのためひどい神経衰弱になったことで、私は思い出すことがある。私の家の裏の竹藪をへだてた北の道端に、在井堂といって、足利時代の本だといわれる『峯相記』にも出てくる空井戸のある薬師堂があった。ある夏の夜、座敷牢から出して蚊帳の中に寝ませていた父が急に行方不明となり、手をつくして八方捜したところ、この井戸の中に入っていたということである。
在井堂に関する一条が『峯相記』の中にあることから、じつはこの本が偽書であろうと推定しつつもそう断定するに忍びない気持がする。
この空井戸のある薬師堂は、私がいつまでも忘れえない思い出の場所でもある。
薬師堂の床下は、村の犬が仔を産む場所で、腕白大将の私が見に行くと、いやでもその匂いを嗅ぐことになった。そのころ犬は家で飼わず村で飼っていたので、仔が出来る時はすぐに判った。その懐しい匂いがいまも在井堂のたたずまいを想い起すたびに、うつつに嗅がれるようである。そこから一丁ほど北の方に氏神の鈴の森神社があり、大きなやまももの樹があった。