轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
04 火の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 185,809 字 · 369 页
隠居が思うには、これはどうもまずい。老婆の脚で追いかけたり、力ずくで争っているから埒があかないというものである。武蔵のような相手では、騙しも利かないが、この相手は甘やかせば甘やかせる女子供、舌の先でくるめておいて、後でいいように料理してしまうに如くはない。
で――隠居は遽に、
「お通よ、お通よ」
手をあげて、彼方の姿を、さしまねいた。
「――のう、お通阿女よ、なんで汝れは、ばばの姿を見るとそのように逃げるのじゃ。以前、三日月茶屋でもそうじゃったが、今も、わしを鬼かのように、すぐ逃げなさる。――その心得が、そもそも解せぬというもの。この婆の心底がわからぬかいの。そなたの思い違いじゃ、疑心暗鬼じゃ、ばばは決して、そなたなどに害意は持たぬ」
そう聞くと、彼方に立っているお通はまだ疑わしげな顔していたが、隠居の腋の下から城太郎が、
「ほんとかい、ほんとかい、おばば」
「オオ、あの娘は、この婆の心を、思い違えているらしい。……ただ怖い人間のように」
「じゃあ、おいらが、お通さんを呼んで来るから、この手を、離してくれ」
「おっと、そんなこというて手を離したら、この婆へ木剣をくれて、逃げる気であろうが」