轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
みやもとむさし
宮本武蔵
吉川 英治
04 火の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 185,809 字 · 369 页
五
四条道場の吉岡清十郎なのである。
もう一名は、清十郎よりずっと若くて、体つきはかえって剛健にできているが、派手やかな若衆小袖に、背なかへは、三尺余の大太刀を斜めに負い、髪は前髪だち――といえばもう、後は説明するまでもなくあの岸柳佐々木小次郎のほかの何人でもない。
「そうだ、この辺だった」
小次郎は、立ちどまって、あたりを眺めまわしながらいう。
「きのうの夕方、わしの小猿めが、その猟犬と争って、尻尾を咬みつかれ、それに懲りたか、この辺で隠れこんだまま、とうとう姿を見せなかったが……どこかそこらの木の上にでもいはせまいか」
「いるものか、猿にも脚がある」
と清十郎は、興のない顔つきで、
「いったい、放鷹をつかうのに、猿など連れて歩くという法はない」
と、その辺の石へ腰かける。
小次郎も、木の根にかけて、
「なにも連れて歩くわけではないが、あの小猿めが尾いて来るので仕方がない。けれど、なんとなく可愛い奴で、そばにいないと肌さびしいのです」
「猫だの狆だのという動物を愛撫するのは、女子か閑人だけだと思うていたら、おん身のような武者修行が、小猿を愛しているところを見ると、一概にいえないものだな」