轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

みやもとむさし

宮本武蔵

吉川 英治

04 火の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 185,809 字 · 369 页

青空文庫

「大きな門戸を構えているので、世間が買いかぶっているので、初代の拳法は達人だったでしょうが、当主の清十郎も、その弟の伝七郎とやらも、たいした者じゃないらしい」

「だが、当ってみなければ、分るまいが」

「もっぱら諸国の武芸者のうわさです。うわさですから、皆が皆、ほんとでもありますまいが、まず京流吉岡も、あれでおしまいだろうとは、よく聞くことですね」

大概にしろといいたい。藤次は、ここらで名乗ってやろうかと思ったが、ここでけりを着けたのでは、揶揄ったのでなく、揶揄われたに等しいものになる。船が、大坂へ着くにはまだ大分間もあることだし、

「なるほど、このごろは、諸国にも天狗が多いそうだから、そういう評判もあろうな。ところで、おん身は先ほど、師を離れて、郷里にあるうちは、毎日のように、錦帯橋の畔へ出て、飛燕を斬って大太刀のつかいようを工夫されたと仰っしゃったな」

「いいました」

「じゃあ、この船で、時々、ああして飛び来っては掠めてゆく海鳥を、その大太刀で、斬り落すことも容易であろうな」

「…………」

何か悪感情を包んでいる相手のことばを、美少年もようやくさとったらしく、瞬間、まじまじと藤次のそういう浅黒い唇を見つめていたが、やがて、