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かいじょうのみち

海上の道

柳田 国男

まえがき「海上の道」筑摩書房<br> 1961(昭和36)年<br> 海上の道「心 第五巻第一〇号・第一一号・第一二号」酣燈社<br> 1952(昭和27)年10月~12月<br> 海神宮考「民族学研究 第一五巻第二号」日本民族学協会<br> 1950(昭和25年)11月<br> みろくの船「心 第四巻第七号」酣燈社<br> 1951(昭和26年)10月1日<br> 根の国の話「心 第八巻第九号」生成会<br> 1955(昭和30年)9月1日<br> 鼠の浄土「伝承文化 第一号」成城大学民俗学研究室<br> 1960(昭和35)年10月10日<br> 宝貝のこと「文化沖縄 第二巻第七号」沖縄文化協会<br> 1950(昭和25年)10月20日<br> 人とズズダマ「自然と文化 第三号」自然史学会<br> 1953(昭和28)年2月1日<br> 稲の産屋「新嘗の研究 第一輯」創元社<br> 1953(昭和28)年11月23日<br> 知りたいと思う事二、三「民間伝承 第一五第七号」日本民俗学会<br> 1951(昭和26年)11月5日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 182,344 字 · 353 页

青空文庫

空中に声があって彼は儀来河内に遊べりと告げたとあって、目的はその御岳の霊験を説くにあり、いわば珍奇の例だから伝えたように見えるが、この葬後三日目に棺を開いて見るということは、もとは一般の慣習だったらしい。沖永良部島では最近まで人が死ぬとその霊は天の庭へ上るという信仰が生きていた。死人があるとすぐに葬るが、幾日かの後に(多くは三日)、魂分かれまたは魂離れと称して、ユタを招いて神降しの式を行う。それは近親の女性の一人を択んで、死者の霊をそれに憑らしめ、その女が一定の方式によって、或る期間泉の水を浴びて精進をすると、死者は始めて天の庭に上ることができると信ぜられていた。ユタの教儀として改造せられた点もあろうが、是は明らかに尸者の行事であり、日本にも古く行われたらしい痕跡はある。良き人の魂のみが天の庭へ上るという信条もあったということで、是もおそらくはまた善縄大屋子の一例と見てよかろう。果して最初から、特に択ばれた者のみがニルヤに往ったのか、或いは前には誰も彼も、死ねばみな行くと考えられていた時代があるのか。是がなお未決のままで残るが、その参考になる少しの事実もある。