Japanische Klassiker mit Furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme
そして面白い話を知ると、どうしても他人に話したくて仕方がなくなるものである。
私に『山の人生』という本がある。何故書かれたか、主旨がどうも分らないといった人があるが、無理もない話で、じつは法制局で知った珍しい話を喋りたくてたまらないものだから、そんな本を書きはじめたわけであった。新聞社に入った当座に『朝日グラフ』に連載し、後に本にまとめたものである。
「山に埋もれたる人生ある事」という題で、私のいちばん印象の深かった人殺しの刑事事件を二つ続けて書いたのであるが、本の終りには「山男」というものの研究は、人類学上必要だということを書いた。こんなちがった要素が『山の人生』という一つの本にまとめられているため、読む人に不思議な感を与えたのである。
第一の話は、かつて非常な饑饉の年に、西美濃の山の中で炭を焼く男が、子供二人を鉞できり殺したことがあった。自分の男の子と、どういうわけがあってか一人は育てていた小娘で、ともに十二、三歳になる子供であった。炭は売れず、里に行っても一合の米も手に入らない。最後の日にも手ぶらで帰ってきて、飢えきっている子供の顔を見るのがつらさに、小屋の奥へ行って昼寝をしてしまった。