Japanische Klassiker mit Furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme
豊の明り
豊の明り
秋の亥の子とは別に、山陰地方から北陸、東北にかけて、亥の月でも何でもない三月ごろに春亥の子というのがある。藁鉄砲はつかないが、亥の子餅をついてたべることは秋と同じである。亥の月の十月から約六カ月も距てた春の三月か四月に、もういっぺん亥の子をするのは何故か。
近ごろ、播州にも六月亥の子というのがあることがひょっこり判って来た。農家が田植をすました草取りまでの合間に、やはり餅をついて、六月亥の子といっている。ことに辻川から市川の上流にかけて盛んなので、高砂市に住むわれわれの仲間の西谷勝也君に、くわしい調査を奨めている。
これによって亥の子は、春亥の子、六月亥の子などがあって、必ずしも亥の月の十月ばかりでないことが明白に判ってきた。十月は神無月で、決して祭をしない月である。『延喜式』に京都付近の主な神社の祭の一年中のリストが出ているが、十月は一つもない。これは私の考えでは、十一月に非常に重要な神社の祭りがあるので、その前一カ月は物忌みをする。この物忌みに入る日が、秋の亥の子になったのではないかと思う。つまりこの日からは忌火を焚いて、何もせず、ごく静かにしている期間であった。