Japanische Klassiker mit Furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme
岡田武松君との初旅
中学をろくにやっていないので絵は描けない。器械体操はしたことがないから、鉄棒にぶら下ったきり、どうすることもできない。だから高等学校入学早々、アメンボウという綽名がついてしまった。そのうえ家にばかりいたので、行動が敏捷でなかったらしく、「お嬢さん」という綽名をつけられたりして、入学して半月ぐらいの間についたこの二つの綽名はいつまでも消えなかった。
体が細くても、みなが思っているほど意気地なしでないつもりだったから、腹の中にきつい気性をもっていることを、なんとかして証明してやろうと思っていたが、一度受けた印象というものは、なかなかものをいうものであった。だからただの同級生は私を柔弱なヤツと思ったかもしれないが、寝食をともにした同室の仲間は、さすがに早くから気心をのみ込んでいてくれた。
岡田武松君との初旅
茨城県布川に仮住いしていた長兄は、やがて利根川の対岸の、千葉県布佐に移住した。播州へ帰る宿望を実現せずに、ついにはそこが永住の地となってしまった。
ところで、その布佐の家のごく近いところに、偶然にも播磨屋という古着商があった。その家が後に気象学者になった岡田武松博士の生家なのである。