Japanische Klassiker mit Furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme
文学の両面
探し出した話の中で、いちばんなつかしく思うのは、ある男がひょっこりやって来て、「こういうのがありました」といって『抒情詩』を見せられたのには驚いた。何でも日露戦争の折、満州の牛荘と営口の間で斥候に出され、一人で馬に乗ってゆきながら、ふと道端に目を落すと本が一冊落ちていた。珍しく思って拾いあげてみたら、なんとこの『抒情詩』であったというのである。そして「これは支那まで行った本です」といいながら見せてくれたが、わずか千部しか刷らなかったのにと、深い因縁にしみじみと心を打たれたのである。
文学の両面
歌や文学のもつ両面を、私は身をもって経験させられたと思っている。すなわち一つはいわゆるロマンチックなフィクションで、自分で空想して何の恋の歌でも詠めるというような側と、もう一つ、自分の経験したことでなければ詠めない、あるいはありのままのことを書く真摯が文学だという、近ごろの人々のいうような側との二つで、この対立を私はかなりはっきり経験させられた。
私などの作った新体詩はその前者の方であった。やっと二十そこそこの若い者に、そうたくさんの経験がある気遣いはない。