Japanische Klassiker mit Furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme
各地の柳田族
その頃から柳田の家にはいろいろ災難が始まったのである。
各地の柳田族
跡継ぎのない柳田の家では里右衛門の甥を養子にしたが、監督者がないためか、道楽をしていったん潰れそうにまでなった。それでも殿様の方で好意をよせてくれたので、切腹した里右衛門の弟で、滝という家を継いでいる人を呼び戻すことにした。この人には沢山な子供があったが、皆死んでたった一人しか残っていなかった。それで滝の家には別の人を養子に入れて、その末っ子をつれて実家の柳田へ帰ってきた。それが私どもの家内の曾祖父になる人物であった。
江戸詰だったので江戸文化がすっかり身に染みていて、加藤千蔭のところに出入りして歌などをたしなんでいた。大変丹念な人で、細かく日記をつけていた。上欄三分の一くらいに今の新聞に当る記事、たとえばめ組の喧嘩とか永代橋が落ちたとかいう事件が細かに書いてある。連れ帰った末っ子が死んでからは、この日記もはたと止っている。次に養子に入った人が家内の祖父で、この人が柳田家を再興した人であった。しかし万延年間養父が七つくらいのとき失敗して、それまで江戸詰だったのが、信州飯田に帰ることになった。