Japanische Klassiker mit Furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme
頓阿の『草庵集』
として和歌を作らせ、お茶、花、琴などと一列にして、歌も少しは教えてありますなどといって、お嫁にやる時の条件にしたりした。そのため、本当はどこの恋だったのかと談判されると、閉口するような「待つ恋」だの、「待ちて会わざる恋」だのを、平気で若い娘さんも書いたのである。これが日本の文学の一つの大きな歴史であったことに注意しなければならない。
こういうフィクションの歌をいちばんたくさん詠んでいるのが坊さんであるというのも、興味あることである。室町時代にも頓阿とか兼好などという歌僧がいて、秀歌を残している。頓阿は門人を集め『草庵集』というのを出しているが、その中にももちろん恋の歌がずっと出ている。面白くないことにかけては、これくらい面白くない歌集はないが、半折の本で誰でももっていた。
大体、足利時代から江戸時代の初期にかけての和歌はみな、こういうような安らかなものであった。今ではあのころの歌を悪くいうが、当時は歌を作る人数がずっと少なく、詠む者には珍重せられていたので、あれでも何か一節あるように思われた。「ああも詠める」という手本にはなったのである。これが「類題集」