Japanische Klassiker mit Furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme
祖先のこと
どうしてみても、私の気持は人に分るまいし、私も当時の気持をこわさない方がいいと思っているくらいである。
私の家の小ささは日本一だといったが、それもきっちりした形の小ささで、数字でいうと座敷が四畳半、間には唐紙があって隣りが四畳半の納戸、横に三畳ずつの二間があり、片方の入口の三畳を玄関といい、他の三畳の台所を茶の間と呼んでいた。このような小さな家に二夫婦が住むこと自体、たとえ母がしっかり者でないにしろ、初めから無理だったのである。
祖先のこと
私の生家、松岡家というのは非常に変った家すじである。村松梢風が『本朝画人伝』の「松岡映丘」の巻を書く時に私を訪ねて来て、何も知らないというので、少しは地所もあったころから零落するころまでを語ったことがある。
私の祖父の陶庵というのは、隣村川辺(現在の市川町)の中川という家から養子に来た人である。この家は何べんも縁組みしているからよく分らないのだが、姫路市網干の中川というのは川辺からの分家であって、何代か前にちょっとすぐれた人が出ている。これが祖父の弟なわけである。
ところで、この祖父が腸チフスを患ってその回復期に些細な我ままをいったことから離縁になった。