Japanische Klassiker mit Furigana
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こきょうしちじゅうねん
故郷七十年
柳田 国男
Lesen Sie 故郷七十年 (こきょうしちじゅうねん) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 257.350 Zeichen · 507 Bildschirme
時勢と姿勢
最後に柳田という姓の起源であるが、植物と田の組合せの苗字は非常に多く、苗字の半分以上になっているかもしれない。柳田というのは、田圃の中で一番大事な儀式を行う親田の目印に、川楊つまり柳の木を植えてあったので、この一族を柳田というようになったものであろう。
時勢と姿勢
安東の家は信州飯田で槍の家柄だったので面白い特徴がいくらも残っていた。養父が槍を使っているのを見たことはなかったが、二十歳くらいまで自家で本当に稽古をしたそうである。鼠が部屋に入って来ると獲らないではおかなかったとか。じつに巧妙で、長い棒か竹で畳をフッと上げる、すると鼠はその隙間を狙って入って来る、それを突くのである。玉突きなども、少し稽古するとすぐに上手になった。三男坊で早く家を離れた人間すらそうであった。
風伝流というのだが、その流派の家が四軒あった。もともとこの風伝流の元祖は、明石で浪人をしていたという話だが、それはずっと古いころの話である。槍は私も見たことがあるが、一丈何尺かの長槍であった。養父の実家の安東家には、明治の中ごろまでもまだ道場が残っていた。私が明治三十四年に飯田に行った時には、柳田の父の実家安東の父が出た菅沼家から、別れて嫁に行った人の子供で、松本の学校の教員をしていた人が、槍の先生であった。